「freee に入れているから大丈夫」と話していた知人のフリーランスが、税務調査で青ざめたという話を聞いたことがあります。3年前に解約済みの会計サービスにあった領収書データが取り出せず、対象年度の経費が一部認められなくなりかけたケースでした。
フリーランスの帳簿・領収書は、法定保管期間に耐える二重化が前提です。クラウド会計1つに集約すると、サービス側ではなく自分側のトラブル(解約・乗り換え・データエクスポート漏れ)で簡単に失われます。
何年残せばいいのか
青色申告は帳簿・領収書・請求書を原則7年保管する義務があります。欠損金の繰越控除を使う事業者は10年。電子帳簿保存法の改正で電子取引データは紙ではなく電子保存が必須になりました(2024年1月の完全義務化以降)。データが消えれば、税務調査時に経費が認められず追徴税のリスクがあります。
二重化の基本
編集部のフリーランスメンバーがやっているのは、こんな運用です。
普段は freee で日々入力。月末締めのタイミングで「データバックアップ」メニューから CSV/PDF をエクスポートし、自宅 NAS の taxes/2026/05/ のような月別フォルダに保存。年1回、確定申告が終わったタイミングで NAS のフォルダごと pCloud にコピー。これだけで 3-2-1 を満たせます。
クラウド会計を解約した後でも、エクスポートが手元にあれば税務署に提示できます。これが「自分の手元にも控えを持つ」の意味です。
領収書スキャンの保管
電子帳簿保存法のスキャナ保存制度を使う場合、解像度・タイムスタンプ・検索要件など細かい要件があります。要件を満たすかは税理士やソフト提供元に確認してください。
データ自体の保管は、原本(PDF / 画像)を月次フォルダで NAS に集約し、年1回オフサイトへ書き出す運用が現実的です。スマホで撮影した領収書を「カメラロールに置きっぱなし」にすると、機種変更で全消失するパターンがフリーランス界隈ではよく聞きます。
失敗パターン
実際に編集部に寄せられた相談で多いのが次のケースです。スマホ写真にだけ領収書を残していて機種変で全消失。クラウド会計1つに集約して、契約満了後にデータが取り出せない。USB メモリ1本で運用していて紛失。バックアップを取っているが復元を試したことがなく、いざという時に戻せない。
特に最後の「復元を試したことがない」は意外と多く、月1回でいいので NAS から1ファイル取り出してみる習慣をつけるだけで安心感が違います。
おすすめ構成
固定費を抑えつつ7年保管に耐えるなら、Synology DS220+ クラスの2ベイ NAS と pCloud Family 2TB(買い切り)の組み合わせが扱いやすいです。月額固定費がほぼかからず、容量も7年分の帳簿データには十分以上。詳しくはフリーランス向け構成セットを参照してください。
まとめ
帳簿データは「消えたら追徴税」につながる重要データです。月次でエクスポート、年次でオフサイトへ。シンプルなルーチンですが、これを習慣化できるかが7年後に差を生みます。自分に合う組み方は無料の構成診断で確認できます。