在宅勤務になって3年、Google ドライブを開いたら「家族写真の隣に会社の機密資料」「個人の確定申告データと業務メモが同じフォルダ」という状態になっていませんか? 編集部もチェックしたら、まさにそうなっていました。

在宅勤務のリスクは、情報漏えいというより「境界線が曖昧になる」ことです。同じ PC、同じクラウドアカウントで会社・個人・家族を扱うと、誤共有・誤削除・退職時の引き継ぎ漏れが起きやすくなります。

在宅勤務のデータ分離構成
在宅勤務のデータ分離構成

実際に起きたトラブル例

編集部・知人含めて聞いた範囲だけで、こんな事例があります。個人 Google アカウントで会社の機密資料を共有してしまい、検索結果に出てきて発覚。家族写真のクラウドに業務資料を入れていて、家族向け共有リンクで取引先に流出未遂。会社支給 PC が故障し、業務データを個人 PC で続けていて退職時に削除し忘れ。子どもが家族 PC で誤って業務フォルダを触り、ファイルがゴミ箱に。

どれも「同じ場所に混在していた」が原因です。

分離の基本ルール

会社データは会社支給 PC または会社管理のクラウドだけ。個人データは自宅 NAS か個人クラウド。家族共有データはさらに別のフォルダかアカウント。そして会社・個人・家族でクラウドアカウントを分ける——これだけで多くのリスクが消えます。

特に「同じ Google アカウントで会社と個人を両方使う」は避けたい運用です。検索結果の混在、ログイン履歴の漏れ、誤共有のリスクがあります。Chrome のプロファイル機能でアカウントを切り替えるか、別ブラウザを使うのが現実的です。

会社データの扱い

基本は会社支給 PC を使うことです。個人 PC で業務をする場合は、会社の情報セキュリティ規定を必ず確認してください。多くの企業では「個人デバイスに業務データを保存しない」ルールがあり、違反すると懲戒対象になります。

会社の Microsoft 365 や Google Workspace のデータは、退職時にアクセスできなくなることを忘れずに。退職前に必要な個人メモ(連絡先・自分でまとめたナレッジ)は個人クラウドに移しておきましょう。

個人・家族データの構成

会社業務以外は、自宅 NAS を母艦にしてクラウドにオフサイト控えを取る一般的な 3-2-1 構成で守れます。詳しくは家族向け構成セットを参照してください。家族の写真や動画、自分の確定申告データ、子どもの保育園関連書類など、業務以外で「失うと困るもの」はすべてこの構成に集約します。

退職・転職時のチェックリスト

短くまとめておきます。会社支給 PC のデータは規定に従って消去・返却。個人 NAS / クラウドに業務データが残っていないか確認。会社の Microsoft 365 / Google Workspace にあった個人メモは自分のクラウドへ事前移行。会社メールに飛んでいた個人メールの送信元(各種サービスの登録メール)を更新——この4つを退職1ヶ月前から始めるとスムーズです。

まとめ

在宅勤務は便利ですが「自宅 = 仕事と私生活の境界が消える場所」になりがちです。データも同じ運命を辿らないよう、明確にアカウントとフォルダを分離しましょう。年に1回は自分のクラウド・PC を棚卸しする習慣がおすすめです。自分に合う組み合わせは無料の構成診断で確認できます。