「月額1,300円なら安いし」と Google One 2TB を契約してから、ふと「これ10年でいくらだ?」と計算したことはありますか? 月額の感覚と総コストの感覚は驚くほどズレるもので、編集部で計算してみると衝撃の数字になりました。

家族写真や業務データなど「10年以上残したいデータ」を保管する4パターン(汎用クラウドサブスク・NAS・外付け HDD・買い切りクラウド)を、10年スパンで真面目に比較します。

サブスクと買い切りの累計コスト
サブスクと買い切りの累計コスト

前提条件

容量2TB、家族3人で写真と動画を保管する想定で計算します。料金は2026年時点の参考値で、変動するため最新は公式でご確認ください。

①汎用クラウドサブスク(Google One 2TB)

  • 月額1,300円 × 12ヶ月 × 10年 = 156,000円

10年で約15万円。一度も解約せず、料金変動も計算に入れなければの試算。実際には Google One は2023年に値上げしているので、10年スパンでは18〜20万円に達する可能性があります。

メリット:初期投資ゼロ、機材管理不要、どこからでもアクセス。

デメリット:解約したらデータが消える、容量が増えるたびに月額が上がる。

②NAS + クラウドへのオフサイト

Synology DS220+(2ベイ・約4万円)+ Seagate IronWolf 4TB x2(約4万円・RAID 1で実効4TB)+ Backblaze B2(2TB バックアップで月約1,200円)を想定。

  • 初期投資:約8万円
  • 月額クラウド:1,200円 × 12 × 10年 = 144,000円
  • 電気代:24時間稼働で年間約3,000円 × 10年 = 30,000円
  • HDD 交換(5年目に1台交換想定):約2万円
  • 合計:約27.4万円

汎用クラウドより一見高く見えますが、容量が 4TB と倍であること、家族みんなが共有できること、解約しても本体は残ることを考えると、価値が違います。

メリット:大容量・解約しても残る・家族共有が容易・速度。

デメリット:初期投資が大きい・故障時は自己対応。

③外付け HDD のみ(3-2-1未完成)

WD Elements Desktop 4TB(約1.5万円)を5年ごとに更新する想定。

  • 初期投資:約1.5万円
  • 5年目交換:約1.5万円
  • 10年合計:3万円

圧倒的に安い。ただしこれは 3-2-1 未完成で、HDD が故障すれば全データを失います。火災・盗難・ランサムウェアにも無防備。「家族写真を10年残したい」という用途には決定的にリスクが高いです。

「常用のローカル控えとして、他の方法と組み合わせる」位置付けで使うべき選択肢です。

④買い切りクラウド(pCloud Family 2TB 終身)

  • 一括購入:約70,000円(2026年時点参考)
  • 10年で追加コストなし
  • 合計:約7万円

10年スパンで見ると、汎用クラウドサブスクの半額以下。サービス会社の存続次第というリスクはありますが、解約による消失はない。

メリット:固定費がほぼゼロ、長く使うほどお得。

デメリット:初期投資、サービス会社のリスク、家族共有人数の制限。

4パターンの 10年 TCO まとめ

方式 10年総コスト 容量 解約時 一言評価
Google One 2TB 約15万円 2TB 消える 機材不要だが消える
NAS + Backblaze 約27万円 4TB 残る 大容量・家族共有・解約不要
外付け HDD 約3万円 4TB 残る 安いが 3-2-1 未完成
pCloud Family 終身 約7万円 2TB 残る(会社存続前提) サブスクからの解放

編集部のおすすめ構成

10年スパンで写真と動画を守るなら、編集部のおすすめは「NAS + 買い切りクラウド」の二段構え。

  • NAS が主役(大容量・家族共有・速度)
  • 買い切りクラウドがオフサイト(月額ゼロ・解約耐性)

これで 3-2-1 ルールを満たしつつ、月額固定費を抑えられます。

「クラウドサブスクだけ」「NAS だけ」「外付け HDD だけ」のような単独依存は、10年スパンで見るとリスク・コストともに最適解になりません。

容量を増やしたい時のコスト構造

10年後に容量を増やしたくなったとき、それぞれの方式の追加コストはこうなります。

  • 汎用クラウド:月額が上がる(2TB → 5TB で +月2,000円程度)
  • NAS:HDD を追加・大容量化(数万円の単発投資)
  • 買い切りクラウド:追加プラン購入(終身でも上のプランへ追加投資)

NAS は容量拡張で月額が上がらない点が、長期で見ると差別化要因です。

機材の故障リスクをどう見るか

NAS や外付け HDD は故障します。HDD は5〜10年で寿命、NAS 本体も10年単位で見ると更新が必要です。

ただし、NAS が故障してもクラウドに控えがあればデータは無事。汎用クラウドの「アカウントロックでデータが取り出せない」リスクと比較すると、トラブル時の選択肢が多い設計です。

まとめ

10年スパンで見ると、NAS + 買い切りクラウドの組み合わせが、コスト・容量・耐性のバランスで最適解になりやすい。汎用クラウド単独は、機材を持ちたくない方向けの選択肢。自分に合う構成は無料の構成診断で確認できます。