「クラウドストレージのサブスクから抜けたい」と思ったとき、現実的な選択肢として残るのは pCloud と IDrive Cloud(または IDrive e2 Lifetime)の2つです。両者とも「一度買えば追加料金なし」の終身プランを提供しています。

編集部でも両者を検討しましたが、用途で結論が分かれました。ガチで比較した結果を共有します。

サブスクと買い切りの累計コスト
サブスクと買い切りの累計コスト

結論を先に

家族写真・動画の共有が主目的 → pCloud Family

NAS のバックアップ先として使う → IDrive Cloud(e2 Lifetime)

理由はこの後詳しく書きます。

料金と容量(2026年時点・参考値)

項目 pCloud Family IDrive e2 Lifetime
2TB 終身プラン 約7万円 約4〜6万円(キャンペーン時)
5TB 終身プラン 約14万円 設定なし(別途従量)
月額換算(10年使用) 約580円/月 約400〜500円/月
ファミリー共有 5人まで 個人プラン主体

料金は変動しやすく、特に IDrive はセール時の値引きが大きいです。最新は必ず公式でご確認ください。

数字だけで見ると IDrive の方が安い場面が多いですが、これは pCloud が「家族共有・写真特化」、IDrive が「個人/バックアップ向け」と用途が違うからです。比較するなら用途を揃える必要があります。

使い勝手の比較

pCloud

UI は Dropbox に最も近く、ファイルブラウザ・写真ビューア・動画ストリーミングが充実。スマホアプリで写真の自動アップロードができ、家族共有がワンクリックで完了します。psd や ai のサムネイルも表示できるので、デザイナーの過去案件管理にも向きます。

スイス拠点で、データセンターは EU と US から選べます。プライバシーポリシーも比較的厳しめです。

IDrive Cloud

業務系のバックアップサービスから派生したサービスで、UI もやや業務寄り。家族写真の共有用途には少し堅い印象です。一方、NAS から S3 互換 API でバックアップを取れる「IDrive e2」は、Synology の Hyper Backup や QNAP の HBS3 で標準対応されており、NAS の控え先として圧倒的に扱いやすいです。

米国拠点。データセンターも世界に複数あります。

どちらを選ぶかの判断軸

「家族で写真と動画を共有したい・スマホからカジュアルにアクセスしたい」が中心なら、編集部の経験では pCloud が満足度高いです。Synology Photos と組み合わせて、NAS 内のデータを pCloud にも控える二重化が組めます。

「NAS のオフサイト控え先として、自動バックアップで使いたい」「コスパ最重視」が中心なら、IDrive Cloud / e2 Lifetime が有利。NAS メーカーの公式バックアップアプリで設定が楽です。

終身プランの「終身」の意味

両社とも「終身」と言っていますが、現実にはサービス会社が存続している間が前提です。倒産・サービス終了したら終わりです。これは買い切りクラウド共通のリスクで、両社とも10年以上の事業継続実績はあるものの、未来は保証できません。

そのため終身プラン1つに集約するのではなく、3-2-1 ルールの「1つ目のオフサイト」として使う運用が安全です。重要データは別途 NAS や別のクラウドにも控えを持ちます。3-2-1 ルールを参照してください。

サブスク vs 終身の損益分岐

両社とも、3〜4年でサブスクを上回るコスト効率に到達します。それより短期で使うなら、サブスクの方が初期コストが低くて良いです。

長く使う前提なら、毎月の固定費から解放される心理的メリットも大きいです。「クラウド代を気にせず、必要な時に必要なだけ使える」という状態は、想像以上に快適です。

編集部の運用

編集部では、家族写真・動画の主役を Synology DS1522+(NAS)、オフサイト控えを pCloud Family、業務 NAS のバックアップを IDrive e2、という三段構えです。「pCloud か IDrive か」ではなく「pCloud と IDrive を使い分け」という結論に落ち着きました。

まとめ

pCloud と IDrive Cloud は、終身プランの選択肢として双璧です。用途次第で最適解が変わり、両方使う選択肢もあります。自分の構成全体での組み合わせは無料の構成診断で確認できます。