1080p60 を OBS で 12Mbps 録画すると、1時間で約 5.4GB。3時間配信なら約16GB。これを毎日続けると月で約 480GB、1年で約 5.7TB に達します。4K 配信なら単純計算でその4倍。

ゲーム実況・配信のストレージ設計で最初に直面するのが、この「容量が現実的でない問題」です。汎用クラウドのサブスクで全データを抱えると月額が破綻するので、保存先を価値別に分ける必要があります。

ゲーム録画向け 大容量保存の考え方
ゲーム録画向け 大容量保存の考え方

推奨構成:3層に分ける

編集部の配信担当(年間 6TB ペースで増える人)が落ち着いているのが、次の3層構成です。

録画機の内蔵 NVMe SSDには、編集中の素材だけ置きます。WD Black SN850X 2TB あたりが容量と速度のバランスが良く、4K マルチカム編集でも詰まりません。録画直後のデータはここで編集し、終わったら次の層へ移動。

アーカイブ HDDは容量単価が最も安く、長期保管向きです。NAS の 8TB HDD 5本構成(Synology DS1522+ + Seagate IronWolf 8TB)で約 32TB の実効容量を確保しています。HDD は機械式部品があるため5〜10年で寿命が来ますが、その間は容量単価で勝てる媒体は他にありません。

クラウドへ控えは、特に思い入れのある配信や、収益化に直結する完パケだけ。容量単価重視なら Backblaze B2(1TB あたり月600円程度)や pCloud Family の買い切りが向きます。Wasabi も大容量向け選択肢です。

容量目安の感覚

ゲームジャンルで容量感覚は大きく違います。

  • FPS・格闘:1試合数分〜数十分。試合単位でクリップ化しやすい
  • RPG・オープンワールド:1配信3〜6時間が普通。容量が伸びる
  • レトロゲーム・縛りプレイ:何十時間に及ぶシリーズ化が多く、累積で TB 級

「すべて取っておく派」と「公開した分だけ残す派」で必要容量が桁違いに変わります。配信スタイルを決めた上で容量計画を立てるのが現実的です。

HDD 運用の注意点

HDD は機械式部品があるため、5〜10年で寿命が来ます。同じ家に2台あっても、火災・水害ではまとめて失います。詳しくは3-2-1 ルールを参照してください。

編集部が一番ヒヤリとしたのは「外付け HDD を縦置きにしていて地震で倒れた」事例。HDD は動作中の衝撃に弱く、データを救えたのは奇跡的でした。NAS なら筐体が安定しますが、配置場所は地震を意識して低い位置にする方が無難です。

完全削除と公開停止の判断

YouTube などにアップロード済みの配信は、プラットフォーム側にも残ります。元データを残すかは「将来編集し直したいか」で判断します。再編集の予定がないなら削除して容量を空ける判断も合理的です。

ただし思い出として残したい場合、編集部のおすすめは「ハイライト動画だけ自分の手元に残し、長尺は YouTube に任せる」運用。長尺の完全アーカイブは現実的に費用対効果が悪いです。

まとめ

ゲーム録画は容量単価が最重要のため、HDD アーカイブ中心の構成が向きます。クラウドは「失ったら困る配信」だけに絞ることで、月額を抑えながら 3-2-1 を満たせます。具体的な機材構成は無料の構成診断で確認できます。